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佐藤 有司; 宮本 勇太; 粟谷 悠人; 山本 耕輔; 畠山 巧
JAEA-Review 2023-002, 59 Pages, 2023/08
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置に係わる技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県における研究開発の拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、日本原子力研究開発機構内外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和3年度に開催した第39回ふげん廃止措置技術専門委員会において「ふげん」から報告した「廃止措置の状況」、「原子炉構造材の試料採取及び分析に係わる実績と考察」、「液体シンチレータ廃液の処理について」及び「クリアランスに係る除染合理化の成果と課題及び搬出サーベイに係わる考察」について資料集としてまとめたものである。
中村 詔司; 遠藤 駿典; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2022, P. 73, 2023/07
本研究は、廃止措置で問題になる放射性核種の放射能生成量を評価するのに資する中性子捕獲断面積に関するものである。京都大学複合原子力研究所の研究炉KURのTC-Pn照射設備を用いて、廃止措置で問題になる対象核種の中からSc, Cu, Zn, Ag, In及びWを選定して、それらの熱中性子捕獲断面積を測定した。測定試料には、高純度の金属試料を用意した。中性子束をモニタするために、Au/Al合金線, Co箔及びMo箔を用いた。モニタ及び金属試料を、KURが1MW運転時に、TC-Pnにて1時間照射した。照射後、照射カプセルを開封し、モニタと金属試料を回収し、それらを一つ一つビニル袋に密封した。そして高純度Ge検出器を用いて、金属試料から放出されるガンマ線を計測して、ガンマ線の収量から反応率を求めた。中性子束モニタ(Au, CoとMo)の反応率を、Westcottのコンベンションに基づいて解析し、熱中性子束成分を(5.920.10)10 n/cm/secと測定した。各々の金属試料について得られた反応率を評価済みの熱中性子断面積で除した時、用いた断面積が妥当であれば、モニタで得られる熱中性子束と同じ値を与えなければならない。今回、Sc, Znの断面積は、不確かさの範囲で評価値と一致した。しかし、その他の核種については不確かさ以上に評価値と食い違いがあり、熱中性子捕獲断面積の値は修正されなければならないことが分かった。
山本 耕輔; 柳原 敏*
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(12), p.1527 - 1535, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)ふげんにおけるクリアランスに係る一連の作業を作業効率の観点から分析した。その結果、除染が最も作業人工数を必要としている一方で、大部分のクリアランス対象物の汚染の程度は、除染する前から非常に低いことが分かった。これらの結果から、クリアランス対象物は、汚染の程度が十分に低いことを確認した上で、除染をスキップすることがクリアランスの一連の作業の観点から効果的であることを示している。また、クリアランス測定においても全数測定よりも、汚染の程度に応じてはサンプリング測定をすることが可能であることから作業効率の観点から導入することが望ましい。これらの条件及びふげんの実績を踏まえて、クリアランスに係る一連の業務の作業人工数を評価した結果、従来と比較して37%以下にまで低下することが分かった。
島田 太郎; 根本 宏美*; 武田 聖司
保健物理(インターネット), 57(1), p.5 - 29, 2022/03
原子力発電所等の運転や廃止措置に伴って管理区域から発生する資材等のうち、放射能濃度が低く、人の健康への影響がほとんどないものについては、クリアランス制度によりその規制から外れて、再利用または産業廃棄物としての処分が可能である。2020年にクリアランス対象物の種類が撤廃され、金属くず,コンクリートくず等以外にもクリアランスすることが可能となった。原子力施設の解体で発生するアスベスト廃棄物もその一つであるが、廃棄物処理法に基づき、特別管理産業廃棄物として処理・処分されるため、これらの過程での被ばくにより現行のクリアランスレベルを下回るような濃度レベルにならないことを確認する必要がある。そこで、アスベスト廃棄物がクリアランスされた後の処理,溶融後再利用,埋立について被ばくシナリオを構築して、33核種について公衆の被ばく線量を評価し、その結果に基づいてクリアランスの線量基準である10Sv/yに相当する濃度を算出した。その結果、原子力安全委員会が金属くず,コンクリートくずに対して算出した10Sv/y相当濃度に対して1桁以内の値となり、対数丸め値は現行のクリアランスレベルを下回る核種はなかったことから、現行のクリアランスレベルを適用できることが確認された。
佐藤 有司; 山本 耕輔; 樽田 泰宜
JAEA-Review 2021-024, 33 Pages, 2021/11
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置に係わる技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県における研究開発の拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、日本原子力研究開発機構内外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和2年度に開催した第38回ふげん廃止措置技術専門委員会において「ふげん」から報告した"廃止措置の状況"、"クリアランスの除染実績を踏まえた今後の対応"及び"ふげん廃止措置知識マネジメント"について資料集としてまとめたものである。
中村 保之; 香田 有哉; 山本 耕輔; 副島 吾郎; 井口 幸弘
JAEA-Review 2020-002, 40 Pages, 2020/05
新型転換炉原型炉ふげん(以下「ふげん」という。)は、廃止措置技術開発を計画・実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県が目指すエネルギー研究開発拠点化計画における研究開発拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる成果を有効に活用することを目的として、原子力機構内外の有識者で構成される「ふげん廃止措置技術専門委員会」を設置している。本稿は、令和元年12月2日に開催した第37回ふげん廃止措置技術専門委員会において報告・審議を行った"廃止措置の状況"、"解体データ活用による解体工数等予測システムの整備"、"クリアランスの運用状況を踏まえた今後の対応"及び"原子炉本体からの試料採取実績及び今後の計画"について、資料集としてまとめたものである。
菅谷 敏克; 中谷 隆良; 佐々木 利久*; 中村 康雄*; 坂井 章浩; 坂本 義昭
JAEA-Technology 2016-036, 126 Pages, 2017/02
ウラン及び長半減期核種を含んだ廃棄物の処分における特徴としては、処分施設の管理期間終了後の安全評価において、数万年以降に被ばく線量の最大線量が出現することにある。これらの特徴を持つ幅広い放射能濃度範囲のウラン及び長半減期核種を含んだ研究施設等廃棄物の処分の方策は未だ決定されていないことから、処分方策の決定に資することを目的とした処分に係る技術的な検討を行った。本報告書は、ウランを含んだ比較的放射能濃度の低い廃棄物に対して、トレンチ処分とクリアランスについての技術的検討を行うとともに、ウラン及び長半減期核種を含んだ中深度処分対象の濃度範囲となる廃棄物に対しては、濃度制限シナリオによる技術的検討を行った。
林 宏一; 副島 吾郎; 水井 宏之; 佐野 一哉
Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05
「ふげん」では、施設の汚染レベルに応じた廃棄物の区分を適切に行い、放射性廃棄物の発生量を低減するとともに、解体撤去工事を効率的かつ合理的に進めていく計画としている。このため、「ふげん」では、解体撤去工事に伴い発生する解体撤去物等のうち、放射能濃度が国の定める基準値以下となるものにクリアランス制度を適用し、「放射性物質として扱う必要のないもの」として搬出することを計画している。現在、解体中のタービン設備は、汚染状況の調査の結果、放射能濃度が国の定める基準値以下となることから、クリアランス制度を適用するため、評価対象核種の選定及び放射能濃度評価方法の構築を行った。
富居 博行; 松尾 浄*; 白石 邦生; 加藤 六郎; 渡部 晃三; 東山 豊; 長根 悟*; 塙 幸光*
JAERI-Tech 2005-017, 65 Pages, 2005/03
日本原子力研究所東海研究所では、JPDRが解体撤去されて以来、使命を終えた研究用原子炉施設,核燃料物質使用施設及び放射性同位元素等使用施設の解体が行われてきた。現在、解体対象の原子力施設は約20施設となっており、解体計画が重要な課題となっている。しかしながら、多様な原子力施設等に対応した解体に関する課題は必ずしも明確にはなってない。このことから、解体作業や法的手続を安全かつ確実に実施するために、これまでの解体経験や知見に基づく技術的な検討を行った。本報告書は、法的手続や解体作業に共通する事前評価及び廃棄物の取扱等について、これまでの解体経験から技術的課題を抽出し、検討したものである。今回の検討では、クリアランスの検認にかかわる事前評価や管理区域解除等の測定技術に幾つかの課題が見られた。
若井田 育夫; 宮部 昌文
ぶんせき, 2004(10), p.585 - 590, 2004/10
原子力施設の廃止に伴い発生する極濃度放射性廃棄物を一般廃棄するための基準として、クリアランスレベルが定められようとしている。Caを対象とした濃度基準の検認技術として、現在開発中の半導体レーザー利用コリニア共鳴蛍光法,共鳴電離法を取り上げた。コリニア法は、光源が1台で済み、ドップラー同調により光源の波長掃引が不要であるため操作が簡便である。大きさは2m3m程度に収められる。同位体比10程度のクリアランスレベル測定を、迅速で経済的に実施できる最適な方法となる。共鳴電離法は、複数のレーザー制御を要する困難さはあるが、技術的には可能な段階にある。同位体比感度が10に達することから、環境中のクリアランス核種の濃度監視等に有効な技術となる。大きさはより小型で、1m2m程度に収められる可能性がある。同位体選択性は加速器質量分析法(AMS)の測定領域に及ぶことから、AMSの事前分析や、従来法とAMSの測定領域を補完する手法として期待できる。分析にはトレーサビリティーの確保が要求され、標準試料を用いた直線性の検証が重要となる。従来の分析手法を基本とした精密で正確な標準試料の提供が不可欠で、これを高めつつ新しい手法の開発を進める必要がある。
飛田 健次; 西尾 敏; 小西 哲之*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part2), p.1610 - 1614, 2004/08
被引用回数:12 パーセンタイル:61.53(Materials Science, Multidisciplinary)埋設処分すべき放射性廃棄物を低減するため、核融合炉がとるべき実用的方策の検討を行った。低アスペクト炉は炉の構成に必要な鉱物資源総量が少ないため、廃棄物という観点だけでなく、地球規模の鉱物資源節約という長期的視野でみたとき優位である。遮蔽強化により遮蔽外部の重量構造物をクリアランス廃棄物化することは、核融合廃棄物のリサイクル市場を拡大するうえで重要である。また、中性子遮蔽,液体金属増殖材は廃棄処分する場合にはその大部分を余裕深度管理しなければならないが、再利用するとすればこれらは比較的簡単な処理ののち次世代炉での利用が可能と考えられる。これらの方策を統合すると、低アスペクト炉VECTORから発生する埋設処分すべき廃棄物は、1,685トンまで低減できる。
菅野 光大*; 武田 聖司; 水無瀬 直史; 加藤 英雄; 木村 英雄
JAERI-Conf 2004-011, p.131 - 132, 2004/07
ウラン廃棄物及びTRU廃棄物の将来の安全かつ合理的な処理処分システムを確立するため、U-234やU-238に代表される、ラドンガスの発生や評価の長期性等の対象廃棄物の特徴を踏まえた評価手法によって、当該廃棄物にかかわる埋設処分方式別の濃度区分値、及びクリアランスレベルについて検討する必要がある。本研究では、対象廃棄物のクリアランスレベル試算を目的として、ラドンガスの発生や評価の長期性等の対象廃棄物の特徴に対応した確率論的な評価コードシステムを整備した。そして、この評価コードによる確率論的解析の結果から、評価パラメータ及び長期評価に伴うシナリオ設定の不確かさがクリアランスレベルに与える影響を検討した。
柳原 敏
デコミッショニング技報, (28), p.2 - 9, 2003/10
欧米の原子力先進国ではさまざまな原子力施設の廃止措置活動が進められている。このような状況を背景に、OECD/NEAでは廃止措置に関するさまざまな課題を取り上げ、課題解決に向けた検討を進めている。廃止措置プロジェクトに関する科学技術情報交換協力計画では、廃止措置プロジェクトの技術課題を中心に情報交換が行われ、廃止措置と解体に関する作業部会では、廃止措置の規制,廃止措置作業の実施,技術開発に関する検討が行われている。また、廃止措置費用の評価,規制の経験に関する検討が行われ報告書が公開されている。このようなOECD/NEAの活動はわが国の原子力施設の廃止措置を安全で効率的に実施するうえで有用である。本報告はOECD/NEAの廃止措置に関する最近の活動状況をまとめたものである。
武田 聖司; 木村 英雄
JAERI-Conf 2003-018, p.111 - 112, 2003/10
高レベル放射性廃棄物は処分事業の検討が進められており、また、TRU廃棄物及びウラン廃棄物は、将来的に核種濃度レベルに応じた埋設処分またはクリアランスが現在考えられている。これらの長寿命核種を有意に含む放射性廃棄物は、各処分概念の安全性評価の期間が数千年またはそれ以上の長期に及ぶため、浅地中から地層処分までの処分概念に応じて、バリア材の劣化等のさまざまな変動要因による種々の不確かさの影響を評価する必要がある。本報告では、ウラン廃棄物のクリアランスレベル試算のため、重要経路である処分場跡地にかかわる被ばく経路を対象に、評価モデルの不確かさ、パラメータ値の変動に起因する不確かさなどの影響を確率論的解析から検討した。さらに、高レベル放射性廃棄物では、人工バリア、天然バリア(母岩及び断層帯)、生態圏の個々のシステムにおけるパラメータ不確かさ解析を実施し、各パラメータの相対重要度とその不確かさの核種移行率及び被ばく線量に与える影響を定量的に検討した。
坂井 章浩; 大越 実
Radiation Risk Assessment Workshop Proceedings, p.175 - 186, 2003/00
日本原子力研究所は、原子力安全委員会のクリアランスレベルにかかわる調査・審議への技術的支援として、原子炉施設及び核燃料使用施設の運転及び解体時に発生するコンクリート及び金属を対象とし、決定論的手法によるクリアランスレベルの導出を行った。原子炉施設で21、核燃料使用施設で49の主要核種について、クリアランスされた後に想定される73の被ばく経路ごとに、個人被ばく線量が10Sv/yに相当する放射能濃度を求め、核種ごとにその最小値をクリアランスレベルとした。導出したクリアランスレベルとIAEA-TEDDOC-855のクリアランスレベルを比較すると、ほとんどの核種についてはほぼ同様であるが、Tc-99, I-129等については1桁以上低い結果となった。これは、両方の被ばく経路、パラメータ値などにかかわる差異が原因であると考察される。
岡本 亜紀子; 北見 康雄*; 安藤 佳明*; 中村 寿; 斎藤 公明; 中島 幹雄
JAERI-Tech 2002-051, 40 Pages, 2002/06
クリアランスレベル以下の解体金属廃棄物を用いた再利用製品の安全性確認に資するため、微量の放射性核種を含む模擬再利用製品(試験体)を製作し、これに起因する空間線量率を測定とシミュレーション計算により求めた。測定においては線スペクトルからストリッピング操作等により空間線量率を導出した。シミュレーション計算においては、モンテカルロ法による計算コードと、点減衰核積分法による計算コードを用いて空間線量率の算出を行った。バックグラウンドに極めて近い微弱な放射線であること,検出器と試験体の幾何学的条件が点線源等に比べて複雑であることなどに起因する測定及び計算における誤差要因を抽出し、これらに対して適当な補正を行うことにより、測定及び計算における結果はよく一致した。本報告は、試験体の製作から空間線量率の測定法とシミュレーション計算、及び両手法により得られた結果の比較評価についてまとめたものである。
飛田 健次; 小西 哲之; 西尾 敏; 小迫 和明*; 田原 隆志*
プラズマ・核融合学会誌, 77(10), p.1035 - 1039, 2001/10
放射性廃棄物減量化のための炉設計概念(「放射性廃棄物最少化」)を提案した。この設計概念の骨子は、「超伝導コイルの機能を担保するための遮蔽」という従来の遮蔽概念から、「外にある構造物をクリアランス廃棄物にするための遮蔽」へと設計思想を転換することである。このためには従来より遮蔽を強化する必要があるが、遮蔽性能の高いVHに代表される先進遮蔽材の導入により、これまでのトカマク炉の主半径及び小半径を変更することなく「放射性廃棄物最少化」概念を適用できることを示した。この概念に基づいてA-SSTR2の廃炉に伴って発生する廃棄物量の評価を行った。従来の設計ではトカマク炉本体のうちクリアランス廃棄物と見なせるものは重量で30%にとどまるのに対し、今回提案した設計では83%をクリアランス廃棄物にできる見通しを得、「放射性廃棄物最少化」概念の有効性を示した。
大越 実
KURRI-KR-56, p.39 - 57, 2001/03
原研においては、原子力安全委員会におけるクリアランスレベルの検討に貢献するために、原子炉施設から発生するコンクリート及び金属に関するクリアランスレベルの計算を行った。クリアランスレベルの計算は、金属及びコンクリートを埋設処分または再利用することを想定し、10Sv/年に相当する放射性物質の濃度を求めることにより行った。また、原研は、科学技術庁から委託により、将来の原子力施設の解体に伴って大量に発生する極めて放射能レベルの低い放射性固体廃棄物の簡易埋設処分にかかわる安全性実証試験を実施した。本試験の安全評価は、埋設施設の構造,廃棄物の特性,周辺の地質・地下水条件等を考慮して実施した。本報告においては、クリアランスレベルの計算方法と極低レベル廃棄物埋設施設の安全評価の概要について報告する。
大越 実
保健物理, 34(4), p.353 - 358, 1999/12
原子力安全委員会は、主な原子炉施設(軽水炉及びガス炉)の解体等に伴って発生する固体状物質に対するクリアランスレベルを算出した。クリアランスレベルの算出にあたっては、決定論的手法を用いて、個人線量10Sv/年に相当する放射性核種の濃度を算出した。また、決定論的手法に使用したパラメータ値の妥当性を確認するために、確率論的解析を実施した。
大越 実; 坂井 章浩; 吉森 道郎; 山本 英明; 高橋 知之; 木村 英雄
Proc. of 7th Int. Conf. on Radioactive Waste Management and Environmental Remediation (ICEM'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/09
原子力安全委員会は、主な原子炉施設の解体等に伴って発生する固体状物質に対するクリアランスレベルの検討を行った。クリアランスレベルの導出に当たっては、主要な解体物であるコンクリートと金属を対象に、これらの物が通常の産業廃棄物と同様に埋設処分又は有用物として再利用される場合を想定し、これらの過程において発生する個人被ばく線量を決定論的手法を用いて評価した。被ばく線量の評価は、原子炉において生成する主要20核種を対象に、73の被ばく経路に対して行った。各核種毎に最も大きな単位放射能濃度当たりの個人線量をもとに、10Sv/yに相当する核種別の放射能濃度がクリアランスレベルとして設定された。本報告は、原子力安全委員会におけるクリアランスレベルの検討に資するために原研が実施した計算の手法及び結果の概要をまとめたものである。